森友学園問題 安倍首相の言う「悪魔の証明」について説明
はじめに
最近ニュースで話題となっている「森友学園問題」。
というか、ほとんどこればっかり。
ここで頻繁に出ている安倍首相の言う「悪魔の証明」について説明したいと思います。
悪魔の証明とは
まずはwikipediaより引用。
悪魔の証明(あくまのしょうめい)とは、所有権帰属の証明の困難性を比喩的に表現した言葉である。
この表現は、ラテン語の probatio diabolica に由来しており、古くは中世ヨーロッパにおいて、土地の所有権の帰属を証明する際に、当該所有権の由来を遡って逐一立証することは不可能であることを指して用いられた。日本の民法学においても物権法の分野ではそのような意味で現在でも使われている。
なお、それが転用され、民事訴訟法学者の兼子一らによって、上記のような消極的事実の証明の困難性を指して比喩的に用いられる例として使われたこともある。出典 wikipedia
難しい説明ですね。
まあ、簡単に言ってしまうと、
「神が存在しないという証拠は無い。だから、神は存在する」という古典的な論理的な間違いです。
森友学園問題でいうと、
安倍夫人がお金を渡していないということを証明しろ!
証明できないなら、お金を渡したということだな! ということになります。
反論するためには
事実が"なかった"ことを証明するのは、"あった"ことを証明するよりも著しく困難であるため、一般的に存在を肯定する側が証明するのが妥当だとされている。
つまり、
野党はお金を渡したということを証明しなければ、責めることはできないわけです。
なので、安倍首相の言っていることは至極真っ当な意見であるということです。
IT業界では頻繁に悪魔の証明をさせられる!?
日本のIT業界では、この「悪魔の証明」をよく求められます。
(少なくとも私が働いている職場では・・・)
頻繁に起こるのが、ソフトウェアの脆弱性が発生した際、
顧客から「この脆弱性について、影響の有無を即刻回答せよ!」と求められます。
該当のソフトウェアを使ってなかったら「影響無し」と回答できるのですが、
使っていた場合は、もう悲惨です。
もちろん影響が無いことを調査はするのですが、
大変なのが顧客に対し影響がないことを証明すること。
彼らは無邪気でITリテラシーもハンパ無いので、1から懇切丁寧に説明しなければなりません。
ひどい場合は、調査内容もしっかり説明し、
いかに提供しているシステムに影響が無いのかを説明し続けなければなりません。
こういった事情で、エンジニアは多大な工数を割かなければなりません。
そりゃ残業も増えますね。
なので、森友学園問題の事実関係はともかく、
安倍首相もかわいそうだなといつも映像が流れるとしみじみ思ってしまいます。
ただ、IT会社は顧客には絶対服従という妄信的な風潮があるので、
口が裂けても「影響があることを証明してください!」なんて言えません。
おそらく、これは日本における、独自の風潮なのかなと思います。
海外のベンダーなんて、こんな個別の脆弱性について回答を即時してくれません。
(脆弱性についてはしっかり対応しています。)
日本人は誰かに責任を転嫁したいと思っているので、
なるべく人(または企業)に説明をさせ、何か問題が起こったときに、
「あいつ(あの会社)がこういって説明してました!」って逃げの道を作るために、
こういった文化が醸成されているのではないかと思われます。
以上、エンジニアの実態を交えた悪魔の証明についての説明でした!